県議活動報告

2023年9月

決算特別委員会 交通渋滞緩和へ 信号運用、適宜改善を

坪田

皆さん、おはようございます。民主県政クラブ県議団、博多区選出の坪田晋です。通告に従いまして、「交通渋滞対策と歩行者の安全確保等」についてお尋ねして参ります。新型コロナウィルス感染症が5類へと変更されたことにより、本県でも外出する方が増え、また訪日外国人の増加で人流が回復してきました。コロナ禍でテレワークの導入が進みながらも、直接会って顔を合わせてコミュニケーションをとることの価値が再認識され、再び出社を選択する方もいると聞きます。人流が回復したことにより、今後更に交通渋滞対策や歩行者の安全確保のための対策が求められるものと考えます。

交通渋滞は交通事故を誘発する一因とも言われていますが、2014年10月から無料化された八木山バイパスは、通行車両の増加にともない、自然渋滞の慢性化が問題となっています。半感応式信号機が設置されている、八木山バイパス鳴淵ダム入口交差点について、元県議で九州の自立を考える会吉村敏男副会長が2018年当時所属されていた警察委員会で検討を要請したところ、交通量の少ないいわゆる脇道から進入する車両が少なく、また横断する歩行者も1日に数人であることが判り、その結果、歩行者が押しボタンで横断する場合、幹線道路の赤信号はこれまで通り33秒とし、車両が半感応式で脇道から幹線道路に進入する場合の赤信号は18秒と変更がなされ、これまでより15秒短縮されたことで、自然渋滞により九郎原トンネル手前地点で完全に車が止まっていたのが、のろのろでも少しずつ動くようになりました。半感応式信号機の運用の見直しが一定の効果を挙げたということです。そこでお聞きします。

県下の半感応式信号機の設置個所数について、お答えください。

執行部

令和5年6月末現在、県内には、大きな幹線道路につながる脇道で、車や歩行者を感知した場合にのみ、脇道側の信号を青にする、いわゆる半感応式信号機が1,040箇所、設置されております。

坪田

県内に半感応式信号機が1040箇所あるのですね。半感応式信号機は鳴淵ダム入口交差点と同様に、少し工事が必要ではあるものの、全ての信号機で脇道からの車両用信号と押しボタン式の歩行者用信号と別々に分けて運用が可能であるようですが、②2019年1月の警察委員会では、県内における全ての半感応式信号機の現場調査等を行い、その結果を踏まえ、「鳴淵ダム入口交差点」と同様に、脇道から車両用信号と歩行者用の押ボタン信号を別々に分ける運用への見直しを図るとのことでしたが、この現場調査の結果について、お答えください。

執行部

当時、県内の半感応式信号機は1,089箇所あり、そのうち、「鳴淵(なるふち)ダム入口交差点」と同様の運用が可能な半感応式信号機878箇所を調査しましたところ、渋滞解消の効果が見込まれる交差点が、福津市の「上西郷交差点」など3箇所ありましたので、令和元年10月に、同様の運用に変更しております。

坪田

878箇所調査した結果、効果の見込める3箇所が変更になったとのことですが、③「鳴淵ダム入口交差点」と同様に、脇道からの車両用信号と歩行者用押しボタン信号を別々に分けて運用している信号機は、県内にいくつあるのか教えてください。

執行部

現在、「鳴淵ダム入口交差点」と同様の運用を行っている半感応式信号機は、平成31年1月以前に運用していた5箇所と先ほどの3箇所を合わせた8箇所となっております。

坪田

1040箇所ある半感応式信号機のうち、車両用信号と歩行者用押しボタン信号を別々に分けて運用しているのは県内8箇所あるとのことですが、交通量や通行量の変化に応じて適宜調査を行っていただき、必要な箇所には運用の変更をしていただきますよう、引き続きお願い致します。

さて、福岡県内における死亡事故は10月3日時点で75件発生しており、前年同期比で25件増え、昨年1年間の死亡事故件数72件をすでに超えています。私の地元博多区内でも7件死亡事故が発生しており、前年同期比で5件増えていると聞いております。

警察庁が2002年におこなった調査によると歩者分離式信号を導入することにより、交通人身事故の発生件数が約4割減少し、そのうち人と車両の事故が約7割も減少するなど、安全面で大きな効果が認められています。歩車分離式信号は2023年3月末現在、全国で10,184基あり、設置率は約4.9%程度です。歩者分離式信号の導入、特にスクランブル方式については場合によっては渋滞を招く恐れがありますが、歩行者の安心安全確保の観点から、必要と判断されるところには設置をしていくべきと考えます。そこでお聞きします。

歩者分離式信号のうち、スクランブル方式を行っている交差点はいくつあるのか、お答えください。

執行部

令和5年6月末現在で、県内には、歩車分離式信号が394箇所ありますが、その内、スクランブル方式をとっている交差点が43箇所あります。

坪田

福岡県内に信号機は今年の6月末時点で9,778基あるので、歩者分離式信号の本県の設置率は約4%ですね。そのうち、スクランブル方式は約11%となります。現在博多区には6箇所スクランブル方式の交差点がありまして、1つは博多駅筑紫口、2つ目は吉塚駅前にあります。残り4つが明治通り上に全てあり、短い間隔で設置されています。この質問を機に私も改めて各現場を確認してみましたが、博多駅博多口の交差点は歩者分離式ではありますが、斜めには横断することはできない、つまりスクランブル方式とはなっていません。そこでお尋ねします。

歩者分離式信号のうち、スクランブル方式の設置目的と設置基準について、お答えください。

執行部

歩車分離式信号は、歩行者などの安全確保を目的としたものであり、その設置基準といたしましては、〇右左折車両と横断歩行者の事故抑止効果が高いと見込まれること〇通学路や公共施設の周辺等において、安全な横断を確保する必要があること〇歩行者の多い交差点での渋滞解消が見込まれること、の3点がありまして、そのいずれかの条件を満たす必要があります。

そのうち、スクランブル方式は、歩行者の斜め横断を可能とすることで、その利便性の向上を目的としたものであります。スクランブル方式とする具体的な基準はありませんが、県民からの要望等を踏まえた現場調査を行い、斜め横断の需要と渋滞への影響などを考慮した上で導入しているものであります。

坪田

スクランブル方式含む、歩者分離式信号については歩行者の安全確保のためにも、引き続き必要な場所に設置を進めていっていただきたいと考えていますが、冒頭にもお伝えしたように、生活様式の変化により人流や交通量の変化が起こり得ます。一度は設置したものの、方式の変更や時間の調整などの必要性が生じることも今後予想されます。現場調査に加え、歩行者の意見や要望を継続的に把握する努力を重ねて、渋滞にも配慮した最適な状況に保っていただきますよう強く要望致しまして、私の質問を終わります。