県議活動報告

2023年12月

ライドシェア

坪田

皆様、改めましてこんにちは。民主県政クラブ県議団の坪田晋です。通告に従いまして、まず初めに、「ライドシェアとドライバー不足について」質問をさせていただきます。

2024年の4月1日より、自動車運転の業務についても時間外労働時間の上限960時間とする制限が適用され、いわゆる「2024年問題」に直面しています。運送業界におけるドライバー不足問題については先日我が会派の代表質問で質したところです。

バスやタクシー等のドライバーについても、大幅に不足していることが問題となっております。大阪府の南東部を拠点とする「金剛自動車」がドライバー不足やコロナ禍での利用者減少により、90年にわたってその地域の皆さんの生活を支えてきましたが、この12月20日をもって路線バスの全15路線を全線廃止すると発表しました。一部の地域では、唯一の公共交通機関が無くなってしまう看過できない事態です。人流は回復する一方でドライバー不足については求人への応募者も少なく深刻だったと聞いています。本年6月に宮崎県が、9月には佐賀市がバスやタクシーの事業者を対象に、第2種運転免許等の取得に必要な費用の一部を補助することを決めたと報じられていました。ドライバー不足はこのまま対策を講じなければ日常や観光、交通弱者とされる方にとってもより深刻な事態を生むことが容易に想像できます。

そうした中、国会では11月22日に議員有志による、一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶいわゆる「ライドシェア」に関する超党派の勉強会が開かれました。出席した自治体のトップらからは、タクシー不足が深刻だとして導入に向けた法整備を求める声が上がり、勉強会では自治体の意見も踏まえ、年内にも導入に向けた方策を取りまとめると報じられていました。

しかし、ライドシェアについては安全な運行の確保や、都市部での交通渋滞の増加といった課題が考えられます。今年3月の衆院国土交通委員会での国交省答弁によると、2020年における日本のタクシーでの性的暴行件数は19件、米国の主要ライドシェア企業では998件発生していたとあります。更に、ライドシェアのドライバーと運営会社との雇用関係はなく、権利や福利厚生が保障されない働き方のいわゆる「ギグワーカー」の増加と、バスやタクシー業界との賃下げ競争に陥る可能性があり、多くの課題が考えられます。

質問1

そこで知事にお尋ねします。「ライドシェア」について知事はどのように考えられているかお聞かせください。

質問2

2点目に、バスやタクシー事業者におけるドライバー不足に対し、福岡県としても早急に取り組みが必要だと考えますが知事のお考えをお聞かせください。

知事

答弁1

「ライドシェア」は、過疎地域など公共交通の空白地域や、都市部や観光地といったタクシーの供給が不足する地域では、移動手段を確保する方策の―つとして考えられるものである。しかしながら、人を乗せて走るものである以上、何より事故が起こらないよう安全を確保することが第一であると考える。

ライドシェアを導入しようとする場合、
①二種免許を持たないドライバーが参入することによる技術や知識不足に対する懸念
②事故が起きたときの保険適用や補償の問題
③乗務前後の飲酒運転のチェック、車両のメンテナンスといった運行管理の問題
④ドライバーの過重労働による睡眠不足や賃金水準など労務管理など多くの課題があるものと認識している。「ライドシェア」については、国の規制改革推進会議などで議論されているが、これまで社会の輸送手段を支えてきた交通事業者の意見に加え、地域住民、地方公共団体の意見もしっかり踏まえて、慎重に検討し、対応していただきたいと考えている。

答弁2

バスやタクシーの運転手の確保が喫緊の課題であり、幅広く意見を聞く必要があると考え、県では、学識者、交通事業者、九州運輸局、北九州市、福岡市及び嘉麻市に呼びかけ、先月29日に「福岡県地域公共交通運転手不足問題検討会議」を開催した。この会議では、九州運輸局、第一交通産業株式会社、西日本鉄道株式会社から、それぞれの課題や取組を説明いただいた後、意見交換を行った。次回会議を今月22日に開催する予定であり、引き続き、交通事業者をはじめ出席者から課題や意見を聞き、議論していきたいと考えている。